事前予約が必要な防衛省見学ツアーでは、東京裁判、正式な名称は極東国際軍事裁判が行われた旧陸軍省大講堂の中に入れるとっても貴重な体験ができますよ。
防衛省見学は事前予約(2ヶ月前)すれば誰でも見学できる、所要時間2時間ちょっとの大人気なツアー。自衛隊、歴史好きにはたまりません。
午前と午後の見学コースがあり、「屋外ヘリ展示場」「殉職者慰霊碑」「陸海空各自衛隊の装備品を展示する広報展示室」「厚生棟」など見学できますが、何と言っても午前と午後のスペシャルメインは極東国際軍事裁判(東京裁判)の法廷となった大講堂、その名も市ヶ谷記念館に入ることができることです。
市ヶ谷記念館は、昭和12年に市ヶ谷台に建てられた陸軍士官学校本部として建てられた1号館の一部を移設・復元したもの。
戦時中には、大本営陸軍部・陸軍省・参謀本部が置かれ、戦後には東京裁判の法廷、米極東軍事司令部等として使用され、その後は陸上自衛隊東部方面総監部・自衛隊幹部学校等として使用された場所で、本当はもっと大きい建物だったらしいです。
昭和20年に米軍が接収して翌年5月に極東国際軍事裁判(東京裁判)の法廷として使用された以外にも、三島事件の舞台となったバルコニーもあることでも有名なんですね。
自分はそんな歴史的有名な場所が見学コースに入っているなんて露知らず、大収穫の見学になりましたよ。
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東京裁判と市ヶ谷記念館
学校で教わった東京裁判の記憶を辿ると、「連合国側が日本の戦争指導者を裁いた裁判」「東條英機がA級戦犯になった裁判」ぐらいしか浮かびませんが、一応、ネットで調べてみると、我ながら要点は把握していたようです。
ただ1946年から1948年まで裁判は2年間続き、7名も死刑になっていたのは、記憶から飛んでました。Wikipediaの説明は下の通り。
東京裁判は連合国によって東京に設置された極東国際軍事法廷により、東條英機元首相を始めとする、日本の指導者28名を、「平和愛好諸国民の利益並びに日本国民自身の利益を毀損」した「侵略戦争」を起こす「共同謀議」を「1928年(昭和3年)1月1日から1945年(昭和20年)9月2日」にかけて 行ったとして、平和に対する罪(A級犯罪)、人道に対する罪(C級犯罪)および通常の戦争犯罪(B級犯罪)の容疑で裁いたものである。
「平和に対する罪」で有罪になった被告人は23名、通常の戦争犯罪行為で有罪になった被告人は7名、人道に対する罪で起訴された被告人はいない。裁判中に病死した2名と病気によって免訴された1名を除く25名が有罪判決を受け、うち7名が死刑となった。
東京裁判時の東條英機の有名な写真です。
東京裁判の法廷になった大講堂
市ヶ谷記念館の大講堂は、東京裁判当時の建物をを可能な限り現部材を利用し移動し復元したので、東京裁判の法廷として使用された場所、言ってみれば過去そのものをリアルに見学できます。
30センチ角ぐらいの大きさの板材なんかは、番号を振って位置も同じにしているとの説明でしたよ。
建物の中に入ると参加者全員で20分程度の撮影不可の映像を見ることになるので、建物の歴史を知ることができます。もう一度見たいですね・・・
解説員の説明を聞くと、とにかく天皇陛下への配慮がハンパなく、天皇陛下が座られる玉座から見てすべてのものが陛下の目線よりも下になるような建築技巧や、エヤコンのない時代に陛下控室が涼しく過ごせるような細工、陛下専用の階段など、隅々まで天皇陛下のための配慮がされているのが分かります。
終戦まで天皇を示す言葉として「現人神」が使われていたのが、何だか納得しましたね。
上の同じアングルで現在の様子。
建物もそうですが、講堂内に展示されている品々も歴史的な物ばかりですので、一見の価値ありですよ。
名称 | 防衛省(市ヶ谷記念館) |
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住所 | 東京都 新宿区 市谷本村町5-1 |
電話番号 | 防衛省大臣官房広報課記念館係 03-3268-3111 (内線21904) |
時間(平日) | 9:30~11:45 13:30~15:40 |
定休日 | 土日、祝祭日および年末・年始 |
料金 | 無料 |
駐車場 | なし |
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